杖って?日本で定着した歩行補助用具。実は・・・。

2025年に団塊世代が高期高齢者となるため、介護保険制度の変革時期を迎えようとしています。私たちは、介護ショップを運営しているせいか、どちらかというと杖は、歩行補助的な役割であると認識しています。ひょんなことから杖のことについて調べていると、歴史上、様々なことが分かってきました。その一部をご紹介します。

ステッキ(杖)は、古くは、王様や部族の首長や僧侶などの権威の象徴として、ヨーロッパの歴史においては、17世紀から20世紀頃にはモダンな装飾品として、どちらかといえばアクセサリー的なものでした。20世紀に入ると実用的なものが残ったステッキのようですが、イギリスでは紳士にとって、重要なアクセサリーであったとされています。
日本でも杖は古墳から出土することがあり、王の権威のシンボルであったようです。日本の文献で杖が初めて登場するのは『古事記』で“御杖”と記してあり、『日本書紀』でも“杖”と記しています。いずれも“みつえ”と読み、尊敬語になります。“み”とは神事に関わるものにつけられた神聖なものを示します。杖に関する伝承として、弘法大師など高僧の英雄が立てた杖が、成長して大樹になるという杖たて伝説は、杖銀杏、杖梅、杖竹、杖杉など全国いたるところにあるそうですね。


明治中年頃には、日本でも紳士のアクセサリーとして流行。大正末から昭和初期頃まで、若者も得意になってステッキを持ち歩くステッキ全盛期を迎えたとされています。ちなみに、江戸幕府がフランスに派遣した遣欧使節団のパリでの記念写真「文久3年(1863年)」で日本人の洋風ステッキの持っている様が確認されております。
一言に杖といっても、現在の日本ではいろいろな呼び方がされています。英語のstickの発音が訛った「ステッキ」、籐、竹などの意味から英語のcane(ケイン)もステッキとも訳され、登山杖はトレッキング「ポール」とも呼ばれています。


ちなみに、蛇杖が世界医師会や日本医師会のシンボルマークになっていることをご存じですか?これは、ギリシャ神話に登場するアスクレピオス「医学・治療の神」の持っていた杖に由来するそうです。(その杖には1匹の蛇が絡まっており、蛇が脱皮しヌケガラを残すことが若返り・蘇生・復活を示す。)また、杖にまつわる諺(ことわざ)で私がすぐに思いつくことわざは、「転ばぬ先の杖」。意味は「失敗しないように、前もって用意しておくこと。」だそうです。

長々と杖の歴史について触れましたが、介護シューズの選び方について勉強しているときに、杖っていつから必要なんだろう?という疑問から杖のことを調べるうちに歴史にたどりつきました(+_+)。健康年齢を維持・向上させるためには、歩くことが大事、靴が大事と思いつつ、お洒落に!もしもの時に!快適なウォーキングライフにお好みの杖・ステッキはいかがでしょうか?

最後に なぞなぞ 「はじめ4本足、次に2本足、最後に3本足になるものなーに?」